油濁防止管理者

油濁防止管理者（ゆだくぼうしかんりしゃ）とは、大型タンカーなどで輸送する際に、事故などにより油が流出してしまうのを防ぐ為の管理業務を行う人の事です。
万一、不正な油の流出があった場合には、その流出を防止する処理を管理指導し、その状況を行政に通報する義務もあります。
総トン数200トン以上のタンカーで油を輸送する際には、船舶ごとに油濁防止管理者を選任する事が海洋汚染防止と海上火災の防止に関する法律により義務づけられています。

タンカーから油が大量に流出してしまうと、海が汚染されて甚大な環境汚染になってしまいます。
また、海に流出した油というのは、除去する作業もとても困難です。
そういったことにならないように、管理監督する油濁防止管理者の仕事というのは、地球環境を守るとてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。

この仕事をするには、油の流出に対する管理や対処法などについての専門的な知識が必要とされるので、油濁防止管理者としての国家資格を取得する必要があります。
油濁防止管理者の資格は、試験を受けるのではなく、定められた期間で講習を受ける事により取得する事が出来ます。

受講資格は、通信、電子通信の海技士、小型船舶操縦士の免許を除く海技免許を取得している人、もしくは、タンカーに乗り込んで油の管理に関わる業務の経験が1年以上ある人となっています。

講習の内容は、海洋汚染に関する国際的な動向と国内関係法令・通う汚染に対する船での管理状況・管理業務手法などについて・ 終了考査、となっています。
講習中に筆記試験も行われますが、落とす為の試験ではないので、しっかりと講習を聞いていれば大丈夫です。

講習を行っている場所は、横浜、大阪もしくは神戸と限られた場所でしか行われていません。無事に講習を終えれば、油濁防止管理者の資格を取得する事が出来ます。
この資格を取得していれば、船舶業界で働く際にスキルの1つとして、資格手当てや収入アップが期待できます。

タンカーで働く際に、なにか役立つ資格が欲しいという人は、この油濁防止管理者の資格取得を目指してみてはどうでしょうか。