酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者とは、酸素欠乏症や硫化水素中毒にかかるおそれのある場所で作業を行う際に、その危険から労働者を守る為に現場の監視を行う人の事です。
マンホールや井戸、ピットの内部、空気中の酸素を吸収する物質が入っているタンクなどでの作業を行う場合は、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者を選任しなければならない事が法令で義務付けられています。

酸素欠乏症というのは、酸素の濃度が薄い環境に人体をおいた場合に、吐き気や頭痛、耳鳴り、集中力低下などが起こる症状の事で、場合によっては命を落としてしまう事もあります。
硫化水素中毒とは空気中の硫化水素の濃度が高くなる事により起こる中毒症状の事で、嗅覚のまひや眼の損傷、呼吸障害、肺水腫を引き起こし場合によっては命を落とす事もあります。
ですから、作業者がそういった危険な目に合わないように、現場をしっかりと監視する酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の仕事は、人の命と安全を守るとても重要な仕事と言えるでしょう。

この仕事をするには、酸素欠乏症や硫化水素中毒に関する知識や現場の安全管理についての専門的な知識が必要になります。
ですから、この仕事をするには酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者としての国家資格を取得する必要があります。

この資格は、試験を受けるのではなく講習を受ける事により取得する事が出来ます。
受講資格は、学歴や業務経験に関係なく１８歳以上であれば誰でも受講する事ができます。

講習は学科が「酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因及び防止措置に関する知識」、「関係法令」、「保護具に関する知識」といった内容で、実技講習が「救急そ生の方法」「酸素及び硫化水素の濃度の測定方法」になります。
学科も実技も、講習後に試験を行うのですが、この試験は落とす為の試験ではないので、講習をしっかり聞いていれば落ちる事はまずありません。

無事に修了試験に合格すれば、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者としての資格を取得する事が出来ます。
この資格を持っていれば、酸素欠乏症や硫化水素中毒の怒る可能性がある現場において、責任あるポストに就く事が出来るようになるので、キャリアアップや昇給、手当てなどを期待する事が出来ます。

酸素が薄くなるような場所で仕事をする場合に役立つ資格がほしいという人は、この酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格取得を目指してみてはどうでしょうか。