救急救命士

救急救命士とは、交通事故や病気やケガによる救急の時に駆けつける救急隊員の中で高度な救命医療行為を行う事を許された人の事です。
この救急救命士という制度は1991年に導入されたもので、それまでは現場に救急車で駆けつけて病院まで搬送する救急隊員が行う事が出来る医療行為というのはとても限られていました。
ですが、救急の時と言うのは一刻を争う事が多いので、病院に搬送するまでにある程度の医療行為を行う事が出来れば、より助かる確率が高くなります。

そこで、救急隊員の中にある程度の医療に関する知識を持った人を入れることにより、今まで救急隊員がする事ができなかった高度な救命医療行為を素早く行う事が出来るようにと救急救命士が制度化されました。

この救急救命士の仕事をするには当然の事ながら、ある程度の医療に関する知識が必要なので、救急救命士の国家資格を取得しなければなりません。
この資格の受験資格は、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において２年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得した人や、大学において厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業した人など、細かい規定が定められています。
ですからこの救急救命士の資格を取得するには、まず医学部がある大学や育成所に入学しなければなりません。

救急救命士の資格試験の科目は社会保障・社会福祉、患者搬送を含む基礎医学に臨床救急医学総論になります。
試験の合格率は、受験資格を得るまでに養成所や学校でしっかり勉強しなければならないので、試験の合格率は9割程と高めです。

ですが、この救急救命士の資格を取得すれば誰でも救急隊員になれるという訳ではありません。
救急隊員になるには消防官採用試験に合格しなければなりません。この消防官採用試験は倍率が高くて合格するのは大変ですが、救急救命士の資格を取得していれば合格に有利と言うことは間違いないでしょう。

救急隊員として現場でかけがえの無い命を助ける仕事がしたいという人は、この救急救命士の資格取得を目指してみてはどうでしょうか。